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2024.1.4

【レポート】暮らしとつながる科学のはなし

【レポート】暮らしとつながる科学のはなし

実施日
令和5(2023)年11月9日・16日・23日・30日木曜日、いずれも午前9時45分から11時45分まで

講座のあらまし → 講座案内
 今日、科学の社会に与える影響はますます大きくなっています。しかし、私たちはともすれば科学から疎外感を持ち、専門家の判断に不安を抱くことも少なくありません。この講座では、科学と社会の関わり合いを生活者目線で捉え、科学を身近に考えていくことを通じて、今後の生涯学習の契機としました。

第1回「歴史の中の科学と社会」学習支援者 中島秀人さん

 「科学」、「科学技術」、「技術」の各用語の意義を明らかにした上で、それらがどのように変遷してきたのかを16世紀から現代までの歴史を振り返りながら学びました。特に、社会の側の科学に対する期待と不安が周期的に変化しており、近年は科学に対する不信感が生まれ、市民が合意形成に参加していくことが求められてきたことを学びました。会場からは、コンセンサス会議で対立する問題はどう扱われるのか?正確な科学の情報はどうすれば手にいれられるか?など活発な質問が寄せられました。

第2回「あの時をふりかえる」学習支援者 上田昌文さん

 誰もが何らかの経験をした東日本大震災の原発事故を取り上げ、ワークショップを行いました。3グループに分かれて、まずは自己紹介、グループリーダーを決めて、原発事故を思い出して、キーワードをポストイットに書き込んで模造紙で共有しました。次に、放射能関連の用語の表を見ながら連想することも共有しました。さらに放射能に関するクイズをやっていくにつれて、積極的な質問が多く出されました。放射能は知らないことが多く、ワークショップを通じて参加者が皆、自分の経験と照らして、自分ごととして考えている様子が伺えました。

第3回「市民科学とその多様な実践」学習支援者 小堀洋美さん

 科学を本職としない一般の市民が自らの知力、時間、エネルギーを用いて科学研究に参加する市民科学の成立と背景を学びました。過去20年間に市民科学が急速に展開し、今や科学の枠を超えた市民の主体的な学びや従来と異なる発想と活動による変革をもたらしていることを豊富な実践例が紹介されました。多摩川下流域の外来植物の分布調査活動や絶滅危惧種コアジサシの大田区での調査保護活動など大田区にちなんだ事例も紹介され市民科学を身近に感じられました。これらをもとに、自分たちで市民科学のプログラムを設計してみるワークショップを行いました。発表では、「ボラの生態調査」、「マンホールの蓋から大田区をみる」、「食品ロスの実態調査」というユニークな企画が生まれました。

第4回「私たちと科学のこれから」学習支援者 上田昌文さん

これまでの講座を振り返りながら、現代の科学と社会に関する課題と、それをどのように扱っていくか?についてのワークショップを行いました。3グループに分かれて、科学と技術に関して、「とても気になること」、「解決に向けて取組むべきこと」、「課題解決になる素晴らしいと思う取組」をポストイットに書き出して発表しました。次に各グループで「どこが気になるかのか?」などを話し合い、グループでテーマを決めて、その解決策を考えるというワークをやりました。発表では、ごみ減量対策として「自分の出したゴミを追跡するアプリ」の開発など、食の安全対策として、植物が本来持っている力を発揮させる「共生農業の普及」など、また別のアプローチとして、安全なメニューを電車にラッピングしたり病院の待ち時間での料理教室など、ユニークなアイデアも生まれました。

参加者の声

  • 専門家の話が分かりにくくてうんざりしていたけど、やっぱり止まっていたらダメだなと思いました。
  • たくさんの刺激がありました。ありがとうございました。
  • 漠然ともやもやした情報が整理できるように思いました。
  • 難しいことでも、さらに学習をしてみたいです。
  • 科学系のワークショップは初めてだったので、たくさんの刺激をもらえました。
  • 科学技術と生活者のつながりの必要性を強く感じました。
  • 子どもからお年寄りまですべての市民が参加する活動がとても参考になりました。
  • フォローアップできる場があるといいと思います。
  • 参加者が意見を出し合って、いろんなアイデアが出て、それをまとめていくプロセスを体験できてよかったです。        
  • などなど