2023.12.14
令和5(2023)年10月3日(火)・10日(火)・17日(火)・23日(月)いずれも午後7時~9時
◆講座のあらまし →講座案内
私たちにとって大切な「人権」について、バーチャル世界という新たな視点で捉えてみました。「人権」を「よりよく生きる」権利と捉え、メタバースなどバーチャルな世界を活用して何が実現できるのか?それはどういう意味を持つのか?などを考えました。
第1回「身近な仮想世界を知ろう」学習支援者 三井広大さん
メタバース(仮想空間)が街歩き、文化祭、選挙、買い物、世界遺産の旅などに利用され、居ながらにしてそれらをリアルに体験できること。また、バーチャル世界を楽しむ高齢者の「メタばあちゃん」などが紹介され、年齢や外見などの個人の属性から解放された世界が紹介されました。そのあとは車座になって「こんなバーチャル世界に行ってみたい」「こんなことをしたい」をテーマに話し合いました。
第2回「仮想世界で他者と向き合う」学習支援者 小池真由さん
仮想エージェント(誰かの分身ではなく、全く仮想のキャラクター)との疑似恋愛などのお話しを通じて、こうした他者の存在がどのような効果をもたらすのかを考えました。他者の存在が孤独を癒したり、相談相手になってくれたりなど幸福感をもたらす上で重要な役割を果たしていることを学びました。また、「AIとのLOVE」のマナー、「どこまで浮気?」といった話題にも活発に意見交換がなされました。
第3回「分身を通して自分を見つめる」学習支援者 時岡良太さん
奈良女子大学と会場とをオンラインで結んで実施しました。バーチャル世界に没入することの影響などから人権の主体である「自分」とは何か?メタバース(仮想空間)のアバターなど自分の分身と自分との関係はどうなるのか?などを考えました。現代は多面的な自分があり、その中で一貫した主体性を確保していくことに「物語」が必要であることなどが紹介されました。臨床心理学の立場からのお話しに会場から活発な質問が寄せられました。
第4回「よりよく生きるために仮想世界は必要か?」学習支援者 宮台真司さん
メタバースなどの仮想世界では、アバター(分身)を使うことで、自分の年齢や外見などの属性から解放され自由を謳歌することができる。その反面、リアルな没入感は一種の麻薬中毒となって、現実世界から逃避し、そのことは為政者や資本家の思うままにされかねない。これを防ぐためには、身近なコミュニティが大事であり、よりよく生きる上では仮想世界と現実世界のバランスをとることが重要である。社会契約論から現代社会の矛盾まで見通したお話しに「わかりやすかった」「核心のお話を聞けた」などの感想が寄せられました。
◆参加者の声(アンケートより)