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2025.3.21

【レポート】 じんけんカフェ『私たちって何だろう?~先住民族アイヌについて学び考える~』

【レポート】 じんけんカフェ『私たちって何だろう?~先住民族アイヌについて学び考える~』

◆実施日

令和6(2024)年10月14日(月・祝)、11月10日(日)、11月23日(土・祝)、12月8日(日)午後2時~4時

 大田区の生涯学習講座では、人権問題をテーマにした学習講座を毎年開催しています。今回は、アイヌをルーツに持つ人々の現状や文化等について学び、“私たち”の社会のあり方について考える講座を開催しました。

 アイヌ民族はかっての北海道の「開拓」や同化政策等により、その伝統や文化の継承は危機的な状況に追い込まれてきました。公開講座では、写真家の宇井眞紀子さんからライフワークとしてアイヌ民族の撮影を30年以上続ける中で知ったことと感じたことと、作品の被写体となっている一人一人の生き様についてお聞きすることができました。
 宇井さんがアイヌの世界観が分かるエピソードとして、小さなこどもが誤ってコップの水をこぼしてしまった時などに「そこには水を飲みたい人(カムイ)がいたんだ」と解釈をすると紹介をしたところ、「おおらかな世界観に魅力を感じ、アイヌ民族についてもっと知りたい。」とアンケートに記載した参加者がいました。また差別から逃れるためにアイヌであることを伏せている人達がいまだにおり、アイヌ文化を継承する機会を持てない人が大勢いる現状を知りました。

 4回の連続講座で学んでいく中で、参加者はアイヌ民族の自然とのかかわり方に共感したり、人としての生き方や平等とはどういうことかあらためて考えました。最終回の講義の後に参加者の感想を共有する時間をつくったところ、「日常の中に人を差別する言葉があった昔を思い出し、今自分が暮らす街で差別が無くなったのか問い直したい。」と語った方がいました。また、参加者の質問を発端に、講義からさらに一歩踏み込んだ学びを得たり、次回のテーマにつながる課題が話題となり、集って学ぶことの醍醐味を感じた参加者もいました。
 

◆講座概要(全4回連続)

第1回 「今を生きる、アイヌ民族をルーツに持つ人たちの百人百様」(10月14日)
第2回 「先住民族アイヌの歴史・文化・いろいろ」(11月10日)
第3回 「私にとっての『アイヌ』」(11月23日)
第4回 「共に生きる社会をつくる~サイレント・アイヌの家族と痛みの物語から~」(12月8日)
講座の詳細はこちら


◆参加者の声(最終回開催後の参加者アンケートより)

  • 第3回の講座で参加者の質問から、『アイヌ神謡集』を出版した知里幸恵さんが、アイヌ語で「鳥を殺す」という表現を「鳥が矢を受け取る」と訳していたことを知った。直訳でなく、知里さんがアイヌの世界観を内包する訳をしていたことが分かり、それが受講者の質問から出てきた話だったので、多くの人が大学のように講義を聞いて勉強することの意義を感じた。新しい知識が増えて、良かった。
  • 差別について、考えていきたい。
  • 特に石原先生のお話が大変勉強になりました。4回のすべての講座に参加してよかったです。オーガナイズありがとうございました。
  • 時間がもっと欲しかった。考える事柄が増え、もっと勉強したくなった。本を読んだり、ネットで調べたり、脳の活性化になった。
  • 4回でそれぞれ講師が異なり、違った視点で話がきけたので、とても内容が濃くて良かった。
  • 今、ガザで人が死んだり、飢えていて、能登で自分の家で休めない人がいて、沖縄が基地に苦しんでいるということや、自分が女というマイノリティだけでなく、朝鮮やアイヌの人の言葉や名前を奪った植民者であることや、色々考えたり、学ぶことはあります。又よい講座に出会いたいです。お世話様でした。