2026.5.15

~障がい者教育(3)~
「障がい者の生涯学習の確保」シリーズ3本目のコラムは、長らく『おおた区民大学』の中のテーマの一つとして開催していた「福祉講座」です。
1981(昭和56)年の国際障害者年を契機として、 大田区 で策定した『国際障害者年 大田区 行動計画』の一つに位置づけられた社会教育講座としてスタートしました。
『障がいのある人もない人も相互に交流し学ぶ中で、障がい者をとりまくさまざまな問題を区民全体の課題として認識し“ともに生きる”まちづくりに参画する契機となるような講座』として、1984(昭和59)年から“定番”の講座となりました。
「福祉講座」は同計画を具体的に推進していくことに寄与しましたが、それにも増して区民の主体的学習形成のための取り組みを試行してきた講座でもありました。
1つには、講座の企画に区民が参画する「区民企画会方式」の先駆けとなったことです。障がいのあるなしに関わらず、当事者の目線も大事にしながら学習する区民の視点で、企画員と職員が議論しながらプログラムを練り上げ、講座を実施したところに特徴があります。「障がい者をとりまくさまざまな問題は、自分の問題でもある」という意識が育まれました。2つには、現在は当たり前になっている手話通訳の配置や、保育室の併設など、参加者の学習条件の整備に1985(昭和60)年から取り組んできたことです。
これらにより、参加者同士が様々な状況に置かれていることを知ることによって、関係が深まり、継続的な学習グループがいくつも生まれるという実績を持っています。講座に参加した人が、次の企画員となるような学習の循環も見られました。
「障がい者のため」だけではなく、「誰もが」ともに生きるまちづくりのための学びの実践をしてきた「福祉講座」を底流に、現在も大田区の社会教育・生涯学習の各講座は人権感覚を研ぎ澄ませながら実施しています。ぜひ、ご参加ください。
大田区 社会教育主事
※社会教育コラムでは「社会教育」「生涯学習」を同義語として併記していますが、事業名などによって使い分けることがあります。