2024.7.15
青少年教育
昭和20代からの“戦後社会教育”の歴史の中で、大田区の重点的な取り組みに「青少年教育」があげられます。
大田区は京浜工業地帯の中心的存在として位置し、日本を代表する町工場を中心とした産業のまちであることが有名です。「金の卵」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
歴史的には、関東大震災をきっかけに海岸沿いに工場が移転し、戦時中の軍需産業、そして戦後の高度経済成長を支える大田区に、地方からたくさんの若者が就職してきました。戦後社会の経済混乱の中では、“青少年の不良化防止対策”が緊急課題でもある時期でした。
「金の卵」である若者たちは、労働者として貴重な存在となりましたが、多くの中小企業・町工場では厚生施設などの環境が十分ではなかったため、行政施策としても多くの若者の余暇活動や学習を支援する取り組みが重要な課題となりました。
つどいと交流の場の創出である「青年館15館構想」のほか、地域の青年組織のリーダー育成(リーダー講習会)、またその指導者の育成(青少年委員制度)、青年が学びの主体者として育ちあう青年学級・教室、青少年団体の支援など、青少年の非行対策から“健全育成”に関わる社会教育の施策へと展開してきました。これら大田区の社会教育の歴史を踏まえながら、現在では困難を抱えるこども・若者の社会的自立支援や、居場所づくりなど地域や関係機関との連携を密にして行う事業も「大田区子ども・若者計画」などに則り展開しています。
大田区社会教育主事