2023.11.7
令和5(2023)年8月9日(水)・23日(水)9月6日(水)・29日(金)
午後6時30分~8時30分(※9月6日のみ17時~19時)
この講座は、今まであまり美術館を訪れたことのない方、美術鑑賞を難しいと感じている方が、鑑賞は自由で創造的な行為であることを学び、体感し、鑑賞を楽しむきっかけを得るように構成しました。
第1回では国立西洋美術館の新藤さんが、版画『メランコリアⅠ』(アルブレヒト・デューラー)について解説し、500年以上経た今もわからないからこそ、言語化できないからこそ、様々な知を総動員してこの作品を知ろうとしている、この作品は遠い他者を知るために、知ろうとする態度を持つべきと教えていると語りました。またこの作品は様々なアーティストに影響を与えており、現在も新たな作品が生み出されていることも紹介しました。
作品は時間と空間を超えた配達のすえに、美術館にやってきて私達と出会う、作品をよく観ると、様々な分野へと興味が拡がっていくので、関心を持って作品と向き合ってほしい、と締めくくりました。
第2回は東京藝術大学の伊藤さんが、2022年にICOM(国際博物館会議)で美術館も含んだミュージアム(博物館)の定義が50年ぶりに更新され、誰もが利用でき、多様性と持続可能性を育み、様々な経験を共有する場とされたこと、これは近年の博物館の役割の大きな変化に沿ったもので、社会的課題と向き合うオーストラリアの移民博物館を紹介しました。
日本の美術館でも知識の獲得にとらわれず、その場でどのようなことを感じ、体験したのか、作品を介して社会とつながる場をつくる活動も行われており、東京藝大と東京都美術館の提携事業「とびらプロジェクト」の活動事例を紹介しました。
中学生が美術展の音声作品解説を制作した事例では、「作品を鑑賞することは、創造的な活動。作品を観る、一緒に体験する、そこで何かを共有する。共感は正しさから生まれるわけではない。主観を掘り下げると共感が生まれる。知識をインプットするだけでなく、見たことをどうシェアするかが大事と気づかされる。」と語りました。
第3回ではグループに分かれ、龍子記念館で対話型鑑賞を体験しました。NPO法人美術資源開発機構のファシリテーターに促されながら、作品をじっくり見て考え、互いの意見に触発されながら、作品の見方を深めていきました。
第4回は参加者各自が選んできた“お気に入りの作品”について語り合った後、対話型鑑賞を行い、美術との向き合い方についてあらためて考えました。
第1回 たとえ芸術が難解に感じられても~考えつづけることの可能性(8月9日)
第2回 私と美術館の新しい関係(8月23日)
第3回 龍子の作品と仲良くなろう(9月6日)
第4回 対話×アート×私(9月29日)
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